日本のテレビアニメは、たくさんの人が関わる共同作業です。
各セクションに分かれ、徹底した分業制が取られています。
役割分担です。

漫画とアニメはしばしば一緒くたにされますが、両者を峻別するのは、やはり関わっている人員の数の多寡だと思います。
漫画家にもアシスタントがいますが、アニメ制作と比べると少人数ですよね。

関わる人数の違いもそうですが、制作工程において、別の観点から、決定的な違いを見出すことができます。
それは、「漫画では、原作付きでない場合、ネーム(コンテ)と作画を同じ人(つまり漫画家)が担当するが、アニメの場合、コンテを切る人と作画監督が違う場合が多い」ということです。
例外はあります。
『ヒカルの碁』や『アイシールド21』は、原作者が描いたネームをもとに漫画家が作画を行った漫画作品です。
また、アニメ制作においても、絵コンテと作画監督が同じ人であるケースはままあります。アニメーター出身の監督の場合、自ら原画を描いたりもする。今期では『未来日記』の監督である細田直人さんがアニメーター出身ですよね。
ですがそれら例外をのぞくと、漫画家はネームからペン入れに至るまでの過程をほぼ一人で担当しますし、アニメでは演出家がコンテを切り、アニメーターは作画に専念することが多いでしょう。

これは分業制が浸透しているかどうかの違いでしょう。
漫画界でも『ゴルゴ13』はさいとうプロという「集団」で作られていたりしますが、そういった例はひとまず置いておきましょう。
分業制が定着すると、演出家とアニメーターの相性の問題が出てきます。続きを読む

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