ミダマ(人の奥底にある「真実の言葉」)を吐かせ、
それを喰らい尽くすことで人を死に至らしめる因果を目前にして、
彼女は『少年期』を口ずさみながらネック片を自身の腹部に深く突き刺し
「あなたに、なにがホントウかなんて、決めさせない」と
ミダマを吐かされる前に、自らの命を絶つ。


『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:Q』における渚カヲルの自己犠牲は
『UN-GO episode:0 因果論』の倉田由子の自殺を想起させるものだった。
そして『ヱヴァQ』『因果論』の自己犠牲/自殺を目前にしながら
為す術もなく生き残ってしまった、ガキシンジ(碇シンジ)と探偵(結城新十郎)の姿も重なる。
碇シンジに問われた、個人的な動機を発端としたサードインパクトで
世界を変えてしまった加害者性と同等の罪を背負った結城新十郎。
(因果に取り憑かれて同行者を殺し、策略によりその事件が戦争の火種となってしまう)


『ヱヴァQ』を観終えてから『UN-GO』を観返すと、
ガキシンジのその後の生き方の可能性の一つとして結城新十郎の生き方が見えてくる。
「シンジさん(序・破)」でも「シンジくん(旧)」でもなくった「ガキシンジ」は、
それでも生きて墜ちていくように歩み、勇気(ゆうき)をもってゲンドウ達のミダマを暴き、
悪と正義を同時に抱えた人の愛や正しさ美しさを知ることになるだろう。


《人は、他のために命を捨てられることもある……だからといって、オレやあんたが偉いわけじゃない。偉いのは、美しいのは、死んだ彼らだけだっ。オレたちは卑小で、愚かで、猥雑で、この地面に這い蹲って、必死に生きている、それだけだ》
(『UN-GO』5話「幻の像」より)


「美男子に騙されるなんて、ほんとガキなナナヒカリ」
 
執筆者:フル爺(@FullHuRo)