こんにちばんはございます。
「もす!」の神酒原です。
第1話の時からずっと読んで下さっているみなさん、一週間ぶりです。この第9話から初めて記事を見つけたみなさん、初めまして。第1話から一気に読まれたみなさん、お疲れ様です。
この記事は、アニメを見て楽しんだ人がより楽しめる、そしてイマイチだと感じた人も見方を変えてくれることを目指しています。
記事内は基本的に原作ネタバレなしですが、記事の性質上、読んだら先の展開が読めてしまう可能性のある部分があります。その部分はきちんと注意書きをして回避可能にしますので、気を付けつつ、安心して読み進めて下さい。
それではどうぞ。
「もす!」の神酒原です。
第1話の時からずっと読んで下さっているみなさん、一週間ぶりです。この第9話から初めて記事を見つけたみなさん、初めまして。第1話から一気に読まれたみなさん、お疲れ様です。
この記事は、アニメを見て楽しんだ人がより楽しめる、そしてイマイチだと感じた人も見方を変えてくれることを目指しています。
記事内は基本的に原作ネタバレなしですが、記事の性質上、読んだら先の展開が読めてしまう可能性のある部分があります。その部分はきちんと注意書きをして回避可能にしますので、気を付けつつ、安心して読み進めて下さい。
それではどうぞ。
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『ミステリー』を読み解く
さて、先の読めてしまう可能性のある部分がありますと書いたばかりですが、いきなりそのネタバレ注意ゾーンです。
この先、手掛かり等を綺麗に整理してしまうので、以降の記述を読むことにより先の展開が読めてしまう可能性があります。また、前回のネタバレ注意ゾーンとは違って、今回は整理するだけではつまらないので、ある程度は正解に誘導してしまう書き方になります。解決編を見るまで答えを知りたくない方は読み飛ばして下さい。
また、ネタバレ注意ゾーンの終わりにもきちんと注意書きを入れますので、回避される際は、それを目安に飛ばして下さい。
さて今回は、2年F組の3人の探偵役の話を聞き、折木たちがその是非を判定するお話。
芳しい結果が得られなかったことは、視聴していれば分かることですが、重要な点が一つあります。
今回の終了時点で、この件の推理に必要な条件は全て出揃いました。
しかしまぁ、では推理できるのかというと、できる気はしないのですけどね。
私は原作既読ゆえに答えを知っていますが、推理は可能ではありますが、極めて困難でしょう。答えを知らない状態で以下にまとめる情報から推理してみせよと言われたら、私は手を上げてしまいそうです。
まぁでも、完全正解とまではならないまでも、半分以上は正解を言い当てている感想ブログはいくつかありました。氷菓編と違って、ミステリーとしての構造がはっきりしているので、途中で正解するブログがあってもおかしくはないと思っていましたが、やはりすごいなぁと思います。いくつかを、解決編の第11話時に紹介したいと思います。
では、整理していきたいと思います。
念のため、繰り返しておきます。今回はただ事実を羅列するだけでは面白い記事にならないので、推理に重要な情報をまとめる、等、ある程度読者を正解に誘導する形になってしまいます。ネタバレはありませんが、正解を知りたくない場合は、次の注意書きまで読み飛ばして下さい。
さて、まずは中城案。
彼の推理を要約すると、「犯人は窓から侵入し、窓から脱出した。夏草の件は、本郷の取材時期には生えていなかっただろうから、刈り取って撮影し直せば万事解決」
摩耶花が「そのトリックでいいとして、では犯人は?」と聞いているのに犯人の名前を言わない、等大雑把さが目立ちました。外を通るのは発見される危険があるため犯人はその方法を採れない、という折木の反証により却下。
感想ブログを回ると、壁にそって歩けばいいんじゃね?という意見がありました。一瞬納得しかけましたが、一同は劇場の中の様子を見回っていたわけで、窓の外に顔を出してみる人がいる可能性は低くないでしょう。
ここで新たに得られた情報は、
・本郷はちゃんと下見に来ていた
・本郷は撮影には来ていなかった
・海藤の死亡シーンはアドリブだった
くらいでしょうか。特に3番目は重要そうですね。感想ブログでも、多くがこの点に言及していました。
次は羽場案。
彼の推理を要約すると、「ドアから侵入するのは不可能なため、残りの出入り口は窓。海藤の上の階を調べていた鴻巣がロープで下まで下り、窓から侵入して殺害した」
彼の推理は、自信満々な態度に違わず、なかなか素晴らしいものでした。
特に、犯人がドアから入れない点に関する解説はいいですね。面白かったので、詳しく整理してみます。
ドアには鍵がかかっていて、その時点で密室だが、そもそも上手袖へ行く通路に入るためには必ず玄関ロビーを通らなくてはならないため、誰かの視線にさらされる危険が常に伴う。
そもそも通路に入れないため、ドアになんらかの仕掛けをして密室トリックを作り出すことは不可能。実はマスターキーがもう1組あった、なんてトンデモ展開でも説明がつかないわけですね。
羽場はさらに、早業殺人や機械仕掛けもあり得ないと言いました。腕が切断されるほどの威力を伴うには、それなりの時間、あるいはそれなりの大きさの装置が必要。少なくとも殺害シーンは、頭を殴るなどして一度昏倒させたあと、鉈などの威力の高い刃物で腕を切る、という手間がいります。
では、やはり侵入口は窓以外にあり得ない。これは中城案と同じですが、羽場はさらに考えていて、2階を調べていた鴻巣友里がロープ伝いに窓から侵入、という推理に。
本郷がロープの用意を念押しした、鴻巣が実は登山部でロープアクションの撮影が可能、となると、これは間違いないでしょう。矛盾の見つからない、素晴らしい推理です。折木も「実際の殺人なら可能」と言っていました。
しかし実際の映像では、窓の建て付けが悪いため、不可能。
中城案とのコンビネーションで、窓枠に油を差して建て付けを直し、死体発見のシーンから撮り直せば可能ではありますが、本郷は下見に行っており、本郷の真意を探るという点では却下。
ここで新たに得られた情報は、
・映画の解決編ではザイル使用シーンが予定されていた(鴻巣は登山部のため、これの撮影が可能)
・血糊が足りず、急遽補充した
・本郷はホームズでミステリーの勉強をした
血糊の点は、中城の時点で判明した「死亡シーンはアドリブ」と関連しそうですね。血糊が足りなかったのはアドリブを効かせすぎたせいでは、ということが考えられます。
また、ホームズでミステリーの勉強をした、というのも意外と重要になってきそうです。わざわざ席を立ってまで尺を稼ぎましたからね。さしたる情報でなければ、「ふーん」「では僕の考えを」と、さっさと次に進みそうです。
原作は文章ですので当然この部分を精読する時間がありますが、アニメでは一瞬でした。書き出してみましょう。
書き出してみたところで、私はホームズをほとんど読んだことがないのでした。中学生の時に『緋色の研究』を読んだ記憶はありますが、これもほぼ覚えていません。高校生の時にあえて原文で読もうと思い立ったこともあるけど、結局思っただけでした。
折木は、使えるネタを選んだんだろ、と当然すぎる考えを言っていましたね。
最後は沢木口案。
彼女の推理を要約すると、「怪人か怨霊が犯人。壁抜けして海藤を殺した。テキトーなカップルを残してあとはみんな死ぬんじゃない?」
矛盾がなさすぎて晴れ晴れしますね。「別にいいじゃない。鍵くらい」は名言。
広義的に言えばホラー系もミステリーに含まれるとはいえ、あまりにも広義すぎますね。里志のフォローが痛ましい。
論理的に突き崩すことはできないものの、本郷がこれを考えていたなら血糊の量が圧倒的に足りないということで、却下。
ここで新たに得られた情報は、
・本郷が脚本に選ばれたのは他薦、ミステリーになったのも多数決
・本郷は7人目の出演者を探していた
くらいですかね。古典部の面々もいい反応をしていた通り、7人目がいるというのはかなり重要になってきそうです。人数の一致は大前提中の大前提。
本郷は他薦だった、というのは、前回の時点でもなんとなくそんな感じはしていましたが(入須は「唯一漫画を描いたことのある本郷に託された」と言っていました)、再度念を押すように描写されたので、重要でしょうか。感想ブログでもこの点を取り上げる方が多かったです。
千反田が、沢木口から借りた議事録を読んでいましたね。さりげない描写でしたが、『氷菓』お得意のピンボケ演出で視聴者の目が自然に千反田に行くように仕向けられていました。ホームズメモ同様、書き出してみます。
百人くらい、ってのはこれ沢木口でしょうね。
No.32とは、ずいぶんと細かく決めているものです。1とか2は、例えば神高祭でなにやるー?的な議題だったのでしょうが、それにしたって多い。私は不肖ながら小説を書いていて、中学時代からその習慣が途切れたことはないので少なくとも本郷よりは経験豊富と言えますが、こんなものまで最初に決められると、採否は一任とはいえ相当がんじがらめになってしまいそうです。
これがなにを意味するのかを推し量るのは難しいですが、これを見ていた千反田は苦い顔をしていました。千反田でなくとも、第三者の目から見れば本郷に同情してしまうような議事録ではありますが。
以上ですが、私が前回の記事で言及した、アニメ版で追加された大大大ヒントを再掲したいと思います。
ですが、このヒントに気付くのと気付かないのでは条件のレベルがまったく異なるので、前回同様、伏字にします。
※以下の白文字には、ほとんどネタバレと言っていい情報が書かれています。原作既読者やネタバレをまったく気にしない人以外は反転表示しないで下さい。
5人で海藤武雄を迎えに行く時、控室を覗きましたよね。1つ目の部屋ではよく分かりませんでしたが、なんと、2つ目の部屋で、窓が開いていました。原作既読者であれば、「ああ!」と合点がいくはずです。とてつもない大ヒントですね。
上にも書いた通り、以上で、推理に必要な情報は全て出揃っています。理論的には、これで推理が可能です。
しかしやっぱり難しそうだ。上の伏字部分を開くでもしないと、私なら解けません。
愚者のエンドロール編はあと2話。どのような答えが待っているのでしょうか。
これにてネタバレ注意ゾーンは終了です。
引き続き記事をどうぞ。
2年F組の探偵たち
推理内容は結局残念な結果に終わってしまった3人ですが、ユーモアだけは一人前でした。特に3人目の沢木口美崎はいい。アンシメントリーにセットされたお団子と三つ編みのコンボがなんとも強烈な印象を与えますが、カチューシャ風に頭に巻いているリボンが可愛いです。私はこの巻き方を、勝手に「春野サクラ巻き」と呼んでいます。『NARUTO』のヒロイン、サクラの額当ての巻き方がこれですね。
声優もいいですね。なにを隠そう、私は伊瀬茉莉也が大好きなのです。
おっと、少し話がそれました。
感想ブログを回ると、3人の態度に憤る意見がたくさん見られました。みなさん、本郷の意思を無視して自分の好きなように作品をいじるだけの推理が気に入らなかったようです。
羽場の案は、だいぶ誠実に作品に向き合っている気が私にはしているのですが、確かに一理あるところです。しかし、ブロガーのみなさんは重要な発言を見逃しているのではないかと思うのです。
折木と中城の会話。中城は、「誰もケチをつけたりしなかった、あいつを責めたことなんてなかったぞ」「本郷の仕事は全員が認めてたさ、もちろん俺もだ!」と言っていました。
これは本心だと思っていいでしょう。唯一創作の経験があるということで本郷が脚本家に選ばれましたが、創作をするというだけで、人々はその人を尊敬の目で見てしまうものです。私は私が小説を書いていることを、別に書いているだけならそんな人はごまんといるのでまったく自慢にはしていませんが、だれかに言うとまず間違いなく「すごい」と言われます。私の作品を読んで面白いと思ってくれたら「すごい」と言って欲しいですが、そうでないうちからはあまり褒めて欲しくはありません。しかし気持ちは分かります。小説を書いているだけならごまんといるとは言っても、人口比で見たらそんなに多くはないでしょう。創作をしない人から見ると、身近な人物が創作をしているとすごいと感じるものです。
だから自分たちができない仕事を本郷がやっているというだけでクラスメイトたちは本郷を確かに認めていたでしょうし、また本郷の脚本は細かい指示まで徹底しているようでしたから、実際の仕事ぶりも評価していたのでしょう。
しかしこれは逆に、本郷に過度な期待をかけてしまうことにもなります。いや、正しくは、本郷の負担を周りが正しく理解できない、でしょうか。
創作というのはなんとも難しいもので、ユーザーであるうちは「これはもっとこうしたら」「ここがおかしい」と言えても、いざ自分で創るとなると、よほどの天才でなければ難航します。
周りは、自分にできない仕事をやってくれているというだけで「すごい」という評価を下し勝手に印象を昇華してしまいますが、実作業は難しい。しかも本郷は、創作の経験があるとは言っても、脚本は初めて。
周りはほぼ無条件に「本郷はすごい」と思ってしまうので、わりとどんな条件も通ると思ってしまうのでしょう。
だからこそ倒れてしまった本郷の脚本を推理しよう、とそのすごさに敬意を示す形で行動を起こすも、本郷の意思にまでは頭が回らず、自分のフィールドで考えてしまった。さらに言うなら、本郷はすごいから自分らのフィールドで考えてもきっと拾ってくれるだろう、くらいにまでも考えていたかもしれません。
自分のものさしで考えず、本郷の身になって考えてくれそうな人はいないのか。
……おや、一人いますね。彼女が重要になってくるでしょうか。
ちなみに、羽場がまだビデオを見ていないことを責める感想ブロガーがたくさんいましたが、これは責められないんじゃないかと私は思います。
なぜなら、折木たちが見せられたあの未完成映像。あれ、作ったばかりなのではないでしょうか。映画撮影の経験はありませんが、映像編集は、全ての映像が撮り終わったあとにやるものなんじゃないかと思っています。少なくとも、途中の時点で編集していても、ディスクに焼いたりはせず、編集者や監督のPCの中で保存してある程度でしょう。
折木たちに見せるために、入須がディスクを用意した(させた)と考えるのが妥当。助監督の中城は見ているでしょうが、羽場に限らず、ほとんどのF組メンバーは見ていないのではないでしょうか。
千反田は役立たずだったのか
何気に、今回なんの活躍もない千反田。いくつかの質問をした以外は、3人の案を「違う!」と駄々っ子のように否定するだけでした。
でも、この点はどうでもいいように見えて、重要です。しきりに違う違う叫んでいたのは酒の力もあったかもですが、このことを覚えておくと、第11話で「おお!」となるかと思います。
ちなみに、古典部メンバーのミステリー観についても今回語られましたが、千反田の「わたしはあまりミステリーを楽しめないのかもしれない、と思うぐらいまでは読みました」も覚えておくといいでしょう。
アニメーション:空気感と仰瞰アングル
今回の絵コンテ・演出は、山田尚子でした。監督デビューの『けいおん!』で一気に名が売れ、今や堀口悠紀子と並んで京アニの二大有名クリエイターなのではないでしょうか。いや、実際に認知度を調べたわけではないのですが、私の印象として。
空気感の演出については、「もす!」の方で書いてしまいました。パラフレーズしたいと思います。
山田尚子は、私がすぐ思いつく限りだと『CLANNAD AFTER STORY』の第16話「白い闇」と、『けいおん!!』の第1話「高3!」において、空気感の演出に秀でていました。主に色彩設定や撮影班の仕事の結果だろうとは思うのですが、明らかに山田尚子演出回のみに見られる空気感なので、恐らく彼女が指示しているのでしょう。
どういう空気感なのかというと、「時間経過に頼らない光の調整」でしょうか。
空気感を演出するのって、なかなか難しいので、普通は時間経過を利用すると思うのです。雨が上がって空気が爽やかになった、とか、夕陽が差す、とか。
こういう雰囲気の調整を、山田尚子は時間経過に頼らずにやりますね。今回だと、沢木口案を折木が否定しているシーンが分かりやすいです。中城がラストスパートをかけるところなどは、光の量を調整した上にやたら影が強調されるカメラアングルばかりで、「ああ、駄目だこいつ」感がすごく出ていました。
他にすごいと思ったのは、仰瞰アングル。
今回はほぼF組の教室内でお話が終始したので、第6話同様、カメラアングルがとても凝っていました。山田尚子は、内海紘子と並んで演出の特色がなかなかつかめないと私が感じている厄介な演出家ですが(上手いことは上手いのだけど、その輪郭が見えない)、今回はなんとも分かりやすい出来でした。凝らざるを得なかったから、と言えます。
そういえば、第7話(内海紘子演出回)あたりの記事で、ツイッターからの反応で「内海紘子は高雄統子の流れをくむ演出家なんじゃないか」という意見がありました。が、私は今のところ違うと思っています。内海紘子はどちらかというとキャラ配置をあれこれいじっている印象ですが、高雄統子はキャラの演技に重点を置く演出家です。特にポージングの技術は日本一だと私は評しています。ちなみに、高雄統子はすでに退社していますが、『アイドルマスター』での演出が話題になりましたね。
おっと、山田尚子でした。
今回はカメラアングルが凝ってあって演出の特色が分かりやすかったわけですが、特によかったのは仰瞰アングルです。
仰瞰とは、俯瞰の反対で、見上げるカットのこと。
今回は正面カット、俯瞰カット、などなどいろいろなアングルが見られましたが、仰瞰カットが一番印象的でした。例えば中城の案を聞く前に摩耶花が質問攻めをし、力尽きて椅子に座って続きを促す、という一連のシーンがありましたが、この辺はほとんどが仰瞰アングルでした。キャラを下からえぐり込むようなカットが美味しすぎて、脳内物質が溢れまくりです。
ちなみに前回にも非常に効果的な仰瞰アングルがありましたが(折木が「では、なんで俺たちなんですか」と入須に問うたカット)、前回は一発の威力に期待したカットだったのに対し、今回は連発することでスルメ効果を期待するような仰瞰アングルでした。映像に気持ちよさを感じた人も多かったのではないでしょうか。
今回は作画も本当に素晴らしかったです。
いや、他に比べてどうすごいのか、というのはさすがに分からないのですが、今回の作画監督である植野千世子は私が注目しているアニメーターです。堀口悠紀子ほどではないですが、彼女の絵も非常に分かりやすく、そして私好みなので、彼女が作監を担当するとそれだけでテンションが上がります。
具体的にどう分かりやすいのかというと、顔のパーツのバランスがすごいのですね。人間の顔は、両目と口を結ぶ逆三角形が正三角形に近づけば近づくほど美しいと言われていますが、植野作画はこの逆三角形が本当に綺麗なのです。意図してやっているかどうかは分かりませんが、例えば今回だと千反田が折木に「今の中城さんのお話は、本郷さんの本意だったと思いますか?」と問うたカット。バランスがいいので、千反田がすごく可愛く見えます。正直私は今回が植野作監であることを忘れていたのですが(事前に確認はしていました)、このカットを見て、そういえば今回は植野千世子だったと思い出したほどです。
終わりに
それでは、今回の記事は以上です。
余談ですが、毎週この記事は、火曜の午前中から書き出して時間の合間を縫いながら書き足していき、22時前に帰宅して23時ごろから一気に書き上げているのですが、今回は帰宅してから書き始めてしまったので、やたら眠いです。本気でなにか書き忘れているかも。
「もす!」の感想記事です。
よろしければどうぞ。
ではまた。
『ミステリー』を読み解く
さて、先の読めてしまう可能性のある部分がありますと書いたばかりですが、いきなりそのネタバレ注意ゾーンです。
この先、手掛かり等を綺麗に整理してしまうので、以降の記述を読むことにより先の展開が読めてしまう可能性があります。また、前回のネタバレ注意ゾーンとは違って、今回は整理するだけではつまらないので、ある程度は正解に誘導してしまう書き方になります。解決編を見るまで答えを知りたくない方は読み飛ばして下さい。
また、ネタバレ注意ゾーンの終わりにもきちんと注意書きを入れますので、回避される際は、それを目安に飛ばして下さい。
さて今回は、2年F組の3人の探偵役の話を聞き、折木たちがその是非を判定するお話。
芳しい結果が得られなかったことは、視聴していれば分かることですが、重要な点が一つあります。
今回の終了時点で、この件の推理に必要な条件は全て出揃いました。
しかしまぁ、では推理できるのかというと、できる気はしないのですけどね。
私は原作既読ゆえに答えを知っていますが、推理は可能ではありますが、極めて困難でしょう。答えを知らない状態で以下にまとめる情報から推理してみせよと言われたら、私は手を上げてしまいそうです。
まぁでも、完全正解とまではならないまでも、半分以上は正解を言い当てている感想ブログはいくつかありました。氷菓編と違って、ミステリーとしての構造がはっきりしているので、途中で正解するブログがあってもおかしくはないと思っていましたが、やはりすごいなぁと思います。いくつかを、解決編の第11話時に紹介したいと思います。
では、整理していきたいと思います。
念のため、繰り返しておきます。今回はただ事実を羅列するだけでは面白い記事にならないので、推理に重要な情報をまとめる、等、ある程度読者を正解に誘導する形になってしまいます。ネタバレはありませんが、正解を知りたくない場合は、次の注意書きまで読み飛ばして下さい。
さて、まずは中城案。
彼の推理を要約すると、「犯人は窓から侵入し、窓から脱出した。夏草の件は、本郷の取材時期には生えていなかっただろうから、刈り取って撮影し直せば万事解決」
摩耶花が「そのトリックでいいとして、では犯人は?」と聞いているのに犯人の名前を言わない、等大雑把さが目立ちました。外を通るのは発見される危険があるため犯人はその方法を採れない、という折木の反証により却下。
感想ブログを回ると、壁にそって歩けばいいんじゃね?という意見がありました。一瞬納得しかけましたが、一同は劇場の中の様子を見回っていたわけで、窓の外に顔を出してみる人がいる可能性は低くないでしょう。
ここで新たに得られた情報は、
・本郷はちゃんと下見に来ていた
・本郷は撮影には来ていなかった
・海藤の死亡シーンはアドリブだった
くらいでしょうか。特に3番目は重要そうですね。感想ブログでも、多くがこの点に言及していました。
次は羽場案。
彼の推理を要約すると、「ドアから侵入するのは不可能なため、残りの出入り口は窓。海藤の上の階を調べていた鴻巣がロープで下まで下り、窓から侵入して殺害した」
彼の推理は、自信満々な態度に違わず、なかなか素晴らしいものでした。
特に、犯人がドアから入れない点に関する解説はいいですね。面白かったので、詳しく整理してみます。
ドアには鍵がかかっていて、その時点で密室だが、そもそも上手袖へ行く通路に入るためには必ず玄関ロビーを通らなくてはならないため、誰かの視線にさらされる危険が常に伴う。
そもそも通路に入れないため、ドアになんらかの仕掛けをして密室トリックを作り出すことは不可能。実はマスターキーがもう1組あった、なんてトンデモ展開でも説明がつかないわけですね。
羽場はさらに、早業殺人や機械仕掛けもあり得ないと言いました。腕が切断されるほどの威力を伴うには、それなりの時間、あるいはそれなりの大きさの装置が必要。少なくとも殺害シーンは、頭を殴るなどして一度昏倒させたあと、鉈などの威力の高い刃物で腕を切る、という手間がいります。
では、やはり侵入口は窓以外にあり得ない。これは中城案と同じですが、羽場はさらに考えていて、2階を調べていた鴻巣友里がロープ伝いに窓から侵入、という推理に。
本郷がロープの用意を念押しした、鴻巣が実は登山部でロープアクションの撮影が可能、となると、これは間違いないでしょう。矛盾の見つからない、素晴らしい推理です。折木も「実際の殺人なら可能」と言っていました。
しかし実際の映像では、窓の建て付けが悪いため、不可能。
中城案とのコンビネーションで、窓枠に油を差して建て付けを直し、死体発見のシーンから撮り直せば可能ではありますが、本郷は下見に行っており、本郷の真意を探るという点では却下。
ここで新たに得られた情報は、
・映画の解決編ではザイル使用シーンが予定されていた(鴻巣は登山部のため、これの撮影が可能)
・血糊が足りず、急遽補充した
・本郷はホームズでミステリーの勉強をした
血糊の点は、中城の時点で判明した「死亡シーンはアドリブ」と関連しそうですね。血糊が足りなかったのはアドリブを効かせすぎたせいでは、ということが考えられます。
また、ホームズでミステリーの勉強をした、というのも意外と重要になってきそうです。わざわざ席を立ってまで尺を稼ぎましたからね。さしたる情報でなければ、「ふーん」「では僕の考えを」と、さっさと次に進みそうです。
原作は文章ですので当然この部分を精読する時間がありますが、アニメでは一瞬でした。書き出してみましょう。
シャーロックホームズの冒険
コナン・ドイル
○ ボヘミアの醜聞
△ 赤髪組合
×花婿失踪事件
△ ボスコム谷の惨劇
×オレンジの種五つ
◎ 唇の捩れた男
○ 青いガーネット
×まだらの紐
×花嫁失踪事件
△ 椈屋敷
シャーロックホームズの事件簿
コナン・ドイル
○ 高名な依頼人
◎ 白面の兵士
△ マザリンの宝石
×三破風館
○ サセックスの吸血鬼
◎ 三人ガリデブ
△ ソア橋
△ 這う男
△ ライオンのたてがみ
×覆面の下宿人
書き出してみたところで、私はホームズをほとんど読んだことがないのでした。中学生の時に『緋色の研究』を読んだ記憶はありますが、これもほぼ覚えていません。高校生の時にあえて原文で読もうと思い立ったこともあるけど、結局思っただけでした。
折木は、使えるネタを選んだんだろ、と当然すぎる考えを言っていましたね。
最後は沢木口案。
彼女の推理を要約すると、「怪人か怨霊が犯人。壁抜けして海藤を殺した。テキトーなカップルを残してあとはみんな死ぬんじゃない?」
矛盾がなさすぎて晴れ晴れしますね。「別にいいじゃない。鍵くらい」は名言。
広義的に言えばホラー系もミステリーに含まれるとはいえ、あまりにも広義すぎますね。里志のフォローが痛ましい。
論理的に突き崩すことはできないものの、本郷がこれを考えていたなら血糊の量が圧倒的に足りないということで、却下。
ここで新たに得られた情報は、
・本郷が脚本に選ばれたのは他薦、ミステリーになったのも多数決
・本郷は7人目の出演者を探していた
くらいですかね。古典部の面々もいい反応をしていた通り、7人目がいるというのはかなり重要になってきそうです。人数の一致は大前提中の大前提。
本郷は他薦だった、というのは、前回の時点でもなんとなくそんな感じはしていましたが(入須は「唯一漫画を描いたことのある本郷に託された」と言っていました)、再度念を押すように描写されたので、重要でしょうか。感想ブログでもこの点を取り上げる方が多かったです。
千反田が、沢木口から借りた議事録を読んでいましたね。さりげない描写でしたが、『氷菓』お得意のピンボケ演出で視聴者の目が自然に千反田に行くように仕向けられていました。ホームズメモ同様、書き出してみます。
No.31 凶器をどうするか
・ナイフ(刺殺)……10
・ハンマー(撲殺)……3
・ロープ(絞殺)……8
・その他 油をかけての着火……1
高所からの突き落とし……2
ナイフを推奨(ただし採否は本郷に一任)
No.32 死者数をどうするか
・一人……6
・二人……10
・三人……3
・それ以上 四人……1
全滅……2
百人くらい……1
・無効票……1
二人を推奨(ただし採否は本郷に一任)
百人くらい、ってのはこれ沢木口でしょうね。
No.32とは、ずいぶんと細かく決めているものです。1とか2は、例えば神高祭でなにやるー?的な議題だったのでしょうが、それにしたって多い。私は不肖ながら小説を書いていて、中学時代からその習慣が途切れたことはないので少なくとも本郷よりは経験豊富と言えますが、こんなものまで最初に決められると、採否は一任とはいえ相当がんじがらめになってしまいそうです。
これがなにを意味するのかを推し量るのは難しいですが、これを見ていた千反田は苦い顔をしていました。千反田でなくとも、第三者の目から見れば本郷に同情してしまうような議事録ではありますが。
以上ですが、私が前回の記事で言及した、アニメ版で追加された大大大ヒントを再掲したいと思います。
ですが、このヒントに気付くのと気付かないのでは条件のレベルがまったく異なるので、前回同様、伏字にします。
※以下の白文字には、ほとんどネタバレと言っていい情報が書かれています。原作既読者やネタバレをまったく気にしない人以外は反転表示しないで下さい。
5人で海藤武雄を迎えに行く時、控室を覗きましたよね。1つ目の部屋ではよく分かりませんでしたが、なんと、2つ目の部屋で、窓が開いていました。原作既読者であれば、「ああ!」と合点がいくはずです。とてつもない大ヒントですね。
上にも書いた通り、以上で、推理に必要な情報は全て出揃っています。理論的には、これで推理が可能です。
しかしやっぱり難しそうだ。上の伏字部分を開くでもしないと、私なら解けません。
愚者のエンドロール編はあと2話。どのような答えが待っているのでしょうか。
これにてネタバレ注意ゾーンは終了です。
引き続き記事をどうぞ。
2年F組の探偵たち
推理内容は結局残念な結果に終わってしまった3人ですが、ユーモアだけは一人前でした。特に3人目の沢木口美崎はいい。アンシメントリーにセットされたお団子と三つ編みのコンボがなんとも強烈な印象を与えますが、カチューシャ風に頭に巻いているリボンが可愛いです。私はこの巻き方を、勝手に「春野サクラ巻き」と呼んでいます。『NARUTO』のヒロイン、サクラの額当ての巻き方がこれですね。
声優もいいですね。なにを隠そう、私は伊瀬茉莉也が大好きなのです。
おっと、少し話がそれました。
感想ブログを回ると、3人の態度に憤る意見がたくさん見られました。みなさん、本郷の意思を無視して自分の好きなように作品をいじるだけの推理が気に入らなかったようです。
羽場の案は、だいぶ誠実に作品に向き合っている気が私にはしているのですが、確かに一理あるところです。しかし、ブロガーのみなさんは重要な発言を見逃しているのではないかと思うのです。
折木と中城の会話。中城は、「誰もケチをつけたりしなかった、あいつを責めたことなんてなかったぞ」「本郷の仕事は全員が認めてたさ、もちろん俺もだ!」と言っていました。
これは本心だと思っていいでしょう。唯一創作の経験があるということで本郷が脚本家に選ばれましたが、創作をするというだけで、人々はその人を尊敬の目で見てしまうものです。私は私が小説を書いていることを、別に書いているだけならそんな人はごまんといるのでまったく自慢にはしていませんが、だれかに言うとまず間違いなく「すごい」と言われます。私の作品を読んで面白いと思ってくれたら「すごい」と言って欲しいですが、そうでないうちからはあまり褒めて欲しくはありません。しかし気持ちは分かります。小説を書いているだけならごまんといるとは言っても、人口比で見たらそんなに多くはないでしょう。創作をしない人から見ると、身近な人物が創作をしているとすごいと感じるものです。
だから自分たちができない仕事を本郷がやっているというだけでクラスメイトたちは本郷を確かに認めていたでしょうし、また本郷の脚本は細かい指示まで徹底しているようでしたから、実際の仕事ぶりも評価していたのでしょう。
しかしこれは逆に、本郷に過度な期待をかけてしまうことにもなります。いや、正しくは、本郷の負担を周りが正しく理解できない、でしょうか。
創作というのはなんとも難しいもので、ユーザーであるうちは「これはもっとこうしたら」「ここがおかしい」と言えても、いざ自分で創るとなると、よほどの天才でなければ難航します。
周りは、自分にできない仕事をやってくれているというだけで「すごい」という評価を下し勝手に印象を昇華してしまいますが、実作業は難しい。しかも本郷は、創作の経験があるとは言っても、脚本は初めて。
周りはほぼ無条件に「本郷はすごい」と思ってしまうので、わりとどんな条件も通ると思ってしまうのでしょう。
だからこそ倒れてしまった本郷の脚本を推理しよう、とそのすごさに敬意を示す形で行動を起こすも、本郷の意思にまでは頭が回らず、自分のフィールドで考えてしまった。さらに言うなら、本郷はすごいから自分らのフィールドで考えてもきっと拾ってくれるだろう、くらいにまでも考えていたかもしれません。
自分のものさしで考えず、本郷の身になって考えてくれそうな人はいないのか。
……おや、一人いますね。彼女が重要になってくるでしょうか。
ちなみに、羽場がまだビデオを見ていないことを責める感想ブロガーがたくさんいましたが、これは責められないんじゃないかと私は思います。
なぜなら、折木たちが見せられたあの未完成映像。あれ、作ったばかりなのではないでしょうか。映画撮影の経験はありませんが、映像編集は、全ての映像が撮り終わったあとにやるものなんじゃないかと思っています。少なくとも、途中の時点で編集していても、ディスクに焼いたりはせず、編集者や監督のPCの中で保存してある程度でしょう。
折木たちに見せるために、入須がディスクを用意した(させた)と考えるのが妥当。助監督の中城は見ているでしょうが、羽場に限らず、ほとんどのF組メンバーは見ていないのではないでしょうか。
千反田は役立たずだったのか
何気に、今回なんの活躍もない千反田。いくつかの質問をした以外は、3人の案を「違う!」と駄々っ子のように否定するだけでした。
でも、この点はどうでもいいように見えて、重要です。しきりに違う違う叫んでいたのは酒の力もあったかもですが、このことを覚えておくと、第11話で「おお!」となるかと思います。
ちなみに、古典部メンバーのミステリー観についても今回語られましたが、千反田の「わたしはあまりミステリーを楽しめないのかもしれない、と思うぐらいまでは読みました」も覚えておくといいでしょう。
アニメーション:空気感と仰瞰アングル
今回の絵コンテ・演出は、山田尚子でした。監督デビューの『けいおん!』で一気に名が売れ、今や堀口悠紀子と並んで京アニの二大有名クリエイターなのではないでしょうか。いや、実際に認知度を調べたわけではないのですが、私の印象として。
空気感の演出については、「もす!」の方で書いてしまいました。パラフレーズしたいと思います。
山田尚子は、私がすぐ思いつく限りだと『CLANNAD AFTER STORY』の第16話「白い闇」と、『けいおん!!』の第1話「高3!」において、空気感の演出に秀でていました。主に色彩設定や撮影班の仕事の結果だろうとは思うのですが、明らかに山田尚子演出回のみに見られる空気感なので、恐らく彼女が指示しているのでしょう。
どういう空気感なのかというと、「時間経過に頼らない光の調整」でしょうか。
空気感を演出するのって、なかなか難しいので、普通は時間経過を利用すると思うのです。雨が上がって空気が爽やかになった、とか、夕陽が差す、とか。
こういう雰囲気の調整を、山田尚子は時間経過に頼らずにやりますね。今回だと、沢木口案を折木が否定しているシーンが分かりやすいです。中城がラストスパートをかけるところなどは、光の量を調整した上にやたら影が強調されるカメラアングルばかりで、「ああ、駄目だこいつ」感がすごく出ていました。
他にすごいと思ったのは、仰瞰アングル。
今回はほぼF組の教室内でお話が終始したので、第6話同様、カメラアングルがとても凝っていました。山田尚子は、内海紘子と並んで演出の特色がなかなかつかめないと私が感じている厄介な演出家ですが(上手いことは上手いのだけど、その輪郭が見えない)、今回はなんとも分かりやすい出来でした。凝らざるを得なかったから、と言えます。
そういえば、第7話(内海紘子演出回)あたりの記事で、ツイッターからの反応で「内海紘子は高雄統子の流れをくむ演出家なんじゃないか」という意見がありました。が、私は今のところ違うと思っています。内海紘子はどちらかというとキャラ配置をあれこれいじっている印象ですが、高雄統子はキャラの演技に重点を置く演出家です。特にポージングの技術は日本一だと私は評しています。ちなみに、高雄統子はすでに退社していますが、『アイドルマスター』での演出が話題になりましたね。
おっと、山田尚子でした。
今回はカメラアングルが凝ってあって演出の特色が分かりやすかったわけですが、特によかったのは仰瞰アングルです。
仰瞰とは、俯瞰の反対で、見上げるカットのこと。
今回は正面カット、俯瞰カット、などなどいろいろなアングルが見られましたが、仰瞰カットが一番印象的でした。例えば中城の案を聞く前に摩耶花が質問攻めをし、力尽きて椅子に座って続きを促す、という一連のシーンがありましたが、この辺はほとんどが仰瞰アングルでした。キャラを下からえぐり込むようなカットが美味しすぎて、脳内物質が溢れまくりです。
ちなみに前回にも非常に効果的な仰瞰アングルがありましたが(折木が「では、なんで俺たちなんですか」と入須に問うたカット)、前回は一発の威力に期待したカットだったのに対し、今回は連発することでスルメ効果を期待するような仰瞰アングルでした。映像に気持ちよさを感じた人も多かったのではないでしょうか。
今回は作画も本当に素晴らしかったです。
いや、他に比べてどうすごいのか、というのはさすがに分からないのですが、今回の作画監督である植野千世子は私が注目しているアニメーターです。堀口悠紀子ほどではないですが、彼女の絵も非常に分かりやすく、そして私好みなので、彼女が作監を担当するとそれだけでテンションが上がります。
具体的にどう分かりやすいのかというと、顔のパーツのバランスがすごいのですね。人間の顔は、両目と口を結ぶ逆三角形が正三角形に近づけば近づくほど美しいと言われていますが、植野作画はこの逆三角形が本当に綺麗なのです。意図してやっているかどうかは分かりませんが、例えば今回だと千反田が折木に「今の中城さんのお話は、本郷さんの本意だったと思いますか?」と問うたカット。バランスがいいので、千反田がすごく可愛く見えます。正直私は今回が植野作監であることを忘れていたのですが(事前に確認はしていました)、このカットを見て、そういえば今回は植野千世子だったと思い出したほどです。
終わりに
それでは、今回の記事は以上です。
余談ですが、毎週この記事は、火曜の午前中から書き出して時間の合間を縫いながら書き足していき、22時前に帰宅して23時ごろから一気に書き上げているのですが、今回は帰宅してから書き始めてしまったので、やたら眠いです。本気でなにか書き忘れているかも。
「もす!」の感想記事です。
よろしければどうぞ。
ではまた。
アニメ版ならではの演出としては、映像を見てないはずの羽場の推理を(本郷の本来の意図から)ミスリードしたであろうものが付け加えられてましたね。
あと、女帝の登場シーンの直前にコウモリが羽ばたいていました。
怪奇演出以外で日常の風景の中にコウモリが飛んでいる演出なんてあまり見たことありませんが、それでも厭な予感しかしません