こんにちは。おはぎです。

今回はゲスト記事として、
ツイッターで積極的に活動されている @hidamarar さんに寄稿して頂きました。

この記事は今までの咲-阿知賀編についての
@hidamararさんの想いが込められた内容となっています。

主に咲本編と阿知賀編の比較から始まり
主にキャラクターの魅力とは何かという切り口で
阿知賀編を読み解いた内容となっています。

それでは以下@hidamarar さんの記事となります。よろしくお願いしまうす↓

咲-阿知賀編 すばらっ!は池田に、新道寺女子は鶴賀学園になれるのか

-はじめに-

咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A(以下、阿知賀編)が満足いかない。
おもしろい。確かにおもしろく、個人的にも今期三指に入るおもしろさ。
しかしだ、私の感情としては、残念ながら満足のいく作品になりえていない。
それを一言で表すなら”これはまだ、咲足りえてない”。


ただ、これについて語る前に一つ前提として知っておかなければいけないことがある。
咲は個人的に名作と呼べるほどの作品だが、
化けたのは長野県大会決勝に入ってからということである。

それまでがおもしろくなかったわけではないが、
決勝に入ってからのおもしろさが咲のおもしろさだろう。
故に、阿知賀編を現時点で判断することは時期尚早である可能性が高いのだ。
 
・咲本編と阿知賀編の比較

阿知賀編は最初のほう、あまり評判がよくなかった。
それは咲-Saki-(以後、一期)のおもしろさが影響していたはずだ。
一期のようなおもしろさを視聴者は期待していて、
それゆえに最初の日常展開に満足のいかなかった人は多いと思う。
というか私がそうだった。だが、それも一期を振り返ることで思い直すことができた。


一期と阿知賀編を比べてみると、話数構成としてあまり差はない。
Wikipediaの各話リストを見ればわかるが、一期も8話までは麻雀をあまりやっておらず、
日常パートを軸として進めていた。敗北を知って、修行をし、チームの和を深め、
全国を目指す主人公たちの姿を見せつづけた。

この8話の日常パートはタメだ。彼女たちの勝ちたい意思を補強し日常を見せることで、
視聴者に清澄高校を応援させるために必要な時間だった。
逆にいうならば、あの時間がなければ清澄高校を応援することは難しくなっていただろう。
いや、あれだけ咲たちの全国へ行きたい動機と努力を見せられても、
鶴賀学園や龍門渕高校への視聴者の応援が絶えなかったことを考えるなら、
それでも足りなかったのかもしれない。


・ポイントはキャラクターへの感情移入力

咲には、視聴者を引き込み感情移入させるなにかがあった。
私が思うに、あの放送当時の熱気の原動力となっていたものは、
視聴者の強烈なキャラクターへの感情移入だ。
咲の人気キャラクターと人気カップリングの多さは他作品と比べ物にはならないほどに多い。

・東横桃子(ステルスモモ)&加治木ゆみ
・福路美穂子&竹井久
・龍門淵透華&国広一
・原村和&宮永咲

(咲-Saki- 好きなカップリングランキング http://anime.biglobe.ne.jp/userranking/chara/34056/ リンク:アニメワン)

カップリングでなくても、人気キャラでは天江衣や池田華菜(そろそろ混ぜろよ!)、
ワハハ(蒲原智美)などもいて、他の脇キャラもとんでもなくキャラが立っているものばかりだ。
そして、振り返ってみればこれが咲だった。
麻雀の展開のおもしろさやカタルシスなど、咲がおもしろかった要因はいろいろあるが、
咲の最大の魅力といえば、魅力的なキャラクターの多さだろう。

そして、それは主人公サイドのみならず、敵チームにまで及ぶ良キャラたちの群雄割拠ともいえる。
一期は清澄高校の物語といえるが、視聴者が必ずしも清澄高校の勝利を望んでいたわけではない。
長野県決勝で目立っていたのは、咲たち清澄高校ではなく、
ステルスモモと加治木ゆみの鶴賀学園であり、池田華菜と福路美穂子の風越女子であり、
天江衣と龍門淵透華の龍門渕高校だ。

決勝では20人出てきたが、そのキャラのほとんどが記憶に残っている。
それを考えるなら、この作品のキャラの立ち方と数の多さは異常だ。
決勝中堅戦で清澄の竹井とあたり能力麻雀によって蹂躙された風越女子の文堂さん、
決勝次鋒戦で素人なのになぜか出てきて四暗刻で役満を決め、
個人戦でも龍門淵透華に役満をぶちあてた素人雀士・新谷良子(妹尾佳織)、
ワハハ(わはは)、など脇で埋もれそうなキャラも、咲ではそうならない。
ステルスモモは存在感を消せるけど、消えることで存在感が際立つとはこれいかに。


・閑話休題~キャラクターの動機から阿知賀編を読み解く

咲のキャラは、ただ(性格や言動などで)キャラが立っているだけでなく、
それぞれに歴史があり、秘めた思いがある。
その歴史と思いがダイレクトにそれぞれの勝ちたい理由につながってくる。


龍門淵透華ならば衣を一人にしないため
国広一なら、自分を必要としてくれた透華の思いに報いるため
池田華菜なら最後の年になるキャプテンを全国に連れて行くため
福路ならキャプテンとして、みんなの努力に実を結ばせるため
モモなら加治木と一緒にいる理由をつくるため

勝ちたい理由が一人一人あって、それが集まり一つのチームがつくり上げられる。
そして視聴者は、それを見せられることで清澄以外の高校にも勝ってほしいと思わされる。
「咲」というタイトルの作品である以上、清澄高校が負けることがほとんどないことはわかるが、
龍門渕高校に、鶴賀学園に、風越女子に勝ってほしいと思わせる。
この葛藤を生み出せるのが咲なんだ。これを感じさせてこその咲なんだ。


だけど、阿知賀編にはまだそれが見えない。
これをやるには下準備が必要だし、とんでもない時間もかかるため、
9話から決戦が始まるのはちょうどいいタイミングではある。

しかし、決戦をやる段に至って阿知賀編の問題を抱えていると思う。
決戦をやるための下準備の一つでもあるそれは、阿知賀の勝ちたいという動機が弱いことだ。
一期では最初、全国へ行きたい気持ちは、お姉ちゃんに会いたいという程度の弱い動機だった。

だが、時間を重ねるうちに咲と和の全国へ行く約束を見せられ、
部長の個人ではなくチームで打ち続けるためにという思いを見せられ、
数々のドラマを経るうちに、咲は純粋に全国の強豪と麻雀で対決するためにという思いになり、
全国へ行きたい理由も「チームのみんなで打ち続けるために」ってものに変化していった。
このドラマと変化を見せられることで、見てる側は清澄高校や咲たちに愛着を持ち、
咲たちに勝って欲しいと願うのだ。


阿知賀編では未だに動機が弱すぎる。
始まりは「和と全国で打つために」という消極的で、
これで勝たれたらたまったものではない動機だった。

だが、このスタート地点は一期と大して差はない。だけど、この後のドラマがない。
「和と全国で打つために」という動機以上のものを提示できてないし、
勝ちたい理由が阿知賀は依然として薄い。
「せっかく努力したんだから勝ちたいよね」程度の気持ちを超えてこない。
赤土さんのためにって理由もあるんだが、それに至るまでのドラマが弱い。
赤土さんが教え子を勝たせたいのは間違いないのだろうが、
それがシナリオ上にあらわれてこない。

一歩距離をとっている感じとか、放任主義的なとこが、そう感じさせない理由だろう。
チームとしてまとまっている感じも見えないし、日常パートでもっとチームメイト同士の交流が
欲しかったように思う(食事シーンとか個人的にすごい欲しかった)。


ただ、ドラマが弱い面に関して阿知賀編は一期と比べるとハンデを背負っているともいえるので、
仕方ない面もあった。全15話しかなく(脚注2)、白糸台との決戦を一期並に見せたいなら
7話くらい掛ける必要があり、それを逆算して構成すると9話までに出会いから
全国準決まで勝ち上がらなければいけない。

出会い、お互いを知り、全国へ行くことを決意し、敗北し、強くなることを胸に誓い、
修行し、仲間と願いを共有し、覚悟を決めて決戦に挑む、などのドラマを組むには
あまりにも時間が足りなかった。
かっこよく登場して大物かと思われた小走先輩(にわかは相手にならんよ!)は、
対局が映らないままに一瞬で負けてしまい泣く姿のみが映されてたが、それも仕方なかった。


しかし、時間はなくて試合描写は映せなくとも、
ドラマをつくって阿知賀女子の”勝ちたい理由”は補強するべきだっただろう。
これが出来ていないことで、視聴者的に問題が起きる。


・キャラの幸せを願うキャラ達~

咲は魅力的なキャラが多い作品だ。それは、見ている側を惹きつけ感情移入させる。
キャラに魅せられた先にあるものは、キャラの思いが遂げられることを願い、キャラの幸せを願う、ということだ。一期でもこれが起きていた。


池田の諦めない姿を見て、池田を応援する人は多かったし、
桃と加治木を見て鶴賀学園に勝ってほしいと思った人は多かっただろうし、
個人戦にかける龍門淵透華の思いを知って
透華に全国へ出場してほしいと願った人は多かっただろう。

キャラに魅力があるとはそういうことだ。
だが、主人公サイドでない敵キャラを好きになるということは、
勝ち目のない相手を応援することに等しい。
否が応にも、主人公補正に弾圧され敗北をきっする姿を見なければいけない。

特に、咲でやっているようなトーナメントでは尚更それは避けられない。
だから、主人公たちはより魅力的である必要がある。
可能ならば敵キャラよりも。しかし、残念ながら阿知賀女子はそれが出来てないように思う。

キャラに魅力がないわけではないが、園城寺怜と清水谷竜華の二人や宮永照の圧倒的存在感、
白糸台という強力なネームバリューに比べて、阿知賀女子は負けていると思わざるを得ない。
正直、私なんかは阿知賀女子負けていいから、怜と竜華の千里山に勝たせてほしい。
敵キャラを立たせるのは結構なことだが、それをするなら主人公たちも立てる必要がある。


・試合の描き方

それともう一つ思うことは、この準決には鶴賀学園的高校が出ているのかってこと。
一期は鶴賀学園がダークホースとして登場し、決勝を大いに盛り上げた。
決勝では4校が卓を囲むが、そのすべての高校が絡んでいなければ
一期のようなおもしろさには成り得ない。
風越女子や龍門渕高校、清澄高校はキャラが立っているのに、
それに比べて薄い高校が一つでも入り込んでいると場が白けかねない。

だからこそ鶴賀学園の健闘が必要だった。
桃の思いと加治木ゆみの思いが、咲をよりおもしろいものにした。
あの決勝の卓には様々な思いが交じり合っていた。
負けているもの、勝っているもの、諦めないもの、
勝ってはいても楽しくないもの、勝ちたいもの、強い相手と打てることが純粋に楽しいもの、
そんな様々な思いが入り交じっていた試合だったから、おもしろかったのだ。

そんな試合になるためには、新道寺女子の物語をちゃんと描くこと、
すばらっ!(花田煌)たちの全国へかける思いを知ること、それが絶対に必要だろう。
新道寺女子とそのキャラたちにスポットライトが当てられることを切に願う。



・最後に

最後に一つだけ。もし阿知賀女子に勝たせるつもりなら、
お願いだから千里山が負けても仕方ないと思えるドラマをつくっていてくれ。
お願いだから、千里山を小走先輩のような扱いにしないでくれと、
それだけを願って、これからの咲も楽しみに見続ける。

一期と同じようにつくれって文章になってしまったが、別にそんなことは思ってはいなくて、
たとえ一期とは別のつくりがされていても、おもしろければ言うことはない。
それだけはご理解いただきたい。


※脚注1
これ上野久×福路美穂子に投票してるやつらはなんなの?上野と竹井を分けるのは当然。そのあたりが理解できない俺ではない。しかし、しかしだ。どうして、福路美穂子×竹井久ではないんだ。みんなわかってなさすぎる。まさか、半数以上がわかっていないなんて思っていなかった!竹井と福路さんは今の距離感がベストだろうが!明確なつながりはなくとも、福路さんは上野にかけられた言葉を胸に生きている。それが、もし交わるときがきたら…!と妄想するのが楽しいんだろうが!俺はもう町中で偶然の出会いを果たしてから、半年でちょっといけない気持ちが芽生えかけている竹井ってとこまでいってんぞ。竹井「あれ?どうしたんだろう私、こんな、まさか福路さんの指先の動きひとつに意識してしまったり、ちょっと手が触れただけで……なんて、えっ、こんなの私らしく…」というとこまで…うん、落ち着いた。鍵を閉め忘れおしっこをしている最中に竹井が入ってきてしまい赤面している福路さんの場面まで妄想が進んだけど、まあ、それはそれだ。とにかく、上野×福路ではなく、竹井×福路なんだよ。


脚注2
【咲 -saki- 阿知賀編】アニメは1クール+3話の放送が決定!http://0taku.livedoor.biz/archives/4215740.html