こんにちは、おはぎです。

さて、アニメ制作会社「XEBEC」といえば、
最近では「そふてに」や「Rio RainbowGate!」「変ゼミ」など
ちょっと変わった美少女アニメを手掛けていますが、ロボットアニメも強い会社です。

そういえば来季は日産と組んだロボットアニメ
「輪廻のラグランジェ」がありますね。楽しみです。

なぜXEBECがロボットアニメに強いのかは、
元々XEBECが葦プロダクションという80年代に「ダンクーガ」や「マシンロボ」といった
サンライズの次にロボットアニメに強かった会社から独立した会社だからです。
要はロボットアニメを作るノウハウが蓄積された会社ともいえるのです。

そんなXEBECのロボットアニメは色々ありますが、その中でも人気なのは
1996年の「機動戦艦ナデシコ」と2004年の「蒼穹のファフナー」が挙げられると思います。
私もどっちの作品のとても好きで、よく見返しています。

さて、今回の記事では「ナデシコ」と「ファフナー」のOPにおける
あるメカシーンのちょっとした作画的な共通点をご紹介します。
 


共通点はメカの一連の描写です。

①メカの足場を固定させる器具の描写を挿入



(蒼穹のファフナー)



(機動戦艦ナデシコ)

どちらの作品でも足場を固定させる杭みたいな、
例えば建設で使うアンカーボルトみたいなもので支える描写を入れています。
ファフナーでは氷の地面に打ち込む事で発生する煙を描き、
ナデシコでは杭を打ち込む事で地面の割れ目を描いています。
どちらも杭を打ち込んだ地面描写をきっちり描いています。
次の事項とも関係がありますが、斜めの構図を用いて、不安定に見せています。

②メカのパースのつけ方



(蒼穹のファフナー)



(機動戦艦ナデシコ)

どちらもメカを全体で捉えたショットですね。ここでは煽りのパースで描かれています。
またファフナーであれば雪山を、ナデシコであれば高層ビルというように
背景に何かを置く事でメカと何かを対比させることでメカの存在感を誇示しています。






おまけですが、両方とも重量感を表現するためにビームを撃った後、
両作ともメカが反動している描写を描いています。
いかに杭を差し込んでも、ビームの反動が大きいって事がこの描写でわかります。

③共通するスタッフ
何より共通するのが、何段にも重ねたメカの影の付け方や、メカの立体感などが
両方とも同じ人が描いていてもおかしくない感じに見えるのは私だけでしょうか。

さてそこで「機動戦艦ナデシコ」と「蒼穹ファフナー」のOPスタッフを調べてみました。
その結果、両方のOPに共通して参加しているのは、前田明寿さんと紺野直幸さんでした。

機動戦艦ナデシコOPスタッフ

オープニング作画 後藤圭二
門之園恵美 伊藤岳史
山岡信一 中島利洋
伊藤浩二 河野悦隆
前田明寿 石田敦子
紺野直幸 大塚健
阪口英昭 坂崎忠
波多野庸世

蒼穹のファフナーOPスタッフ

演出:羽原信義
キャラクター作画監督:平井久司
メカ作画監督:前田明寿

原画:紺野直幸 高橋晃
江森真理子 小松田大全
岡辰也 NAO
松村拓哉 堀たえ子
石川健朝 花井宏和
加藤初重 平井久司

この事を考えると、紺野さんか、前田さんどちらかが
ナデシコもファフナーも含め、上記のシーンを担当している可能性が考えられます。
ただ前田さんはファフナーだと作画監督なんですよね。
ファフナーのこのシーンの担当が紺野さんの場合、
原画を前田さんが修正したって可能性もありえます。この辺りは推測の域を出ませんね。
ただ言えるのは、私の経験則で前田さんっぽい絵になっているとはいえます。

※ナデシコの方は伊藤浩二さん担当というお話のようです。(追記)

⑤まとめ
二つのアニメは制作会社が同じであれ、制作時期がけっこう違う中
それでも共通点を見出せる面白い例だっといえます。
それは両作に共通したスタッフが参加していた結果でもあるのでしょう。
(例えば、ファフナーの監督の羽原信義さんはナデシコにも深くかかわっています)

さてポイントです。私が伝えたいのは二つのOPを比べながら
どちらの描写も同じである事の意味を考えるのは面白い
って事です。
「このシーン同じアニメーターさんが描いたのかなぁ。
だとしたらそのアニメーターさんはこのパースが好きなんだろう!」
「XEBECのロボットアニメ演出といったらこのパターンだよなぁ」
「XEBECのロボットアニメといったら前田明寿さんだよなぁ」etc
色々な妄想を楽しむ事ができます。まぁ当たるか、当たらないかは別として
画面からの情報で色々推理してみるのも、アニメの面白さの一つではないでしょうか。

サムネイルっぽく画像をまとめてみましたので、比較してみてはいかがでしょうか。

samune

さて、今回は以上です。



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