こんにちは。おはぎです。
残暑の時期ですね。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、今週は私の知る限り、3つの作品でお墓詣りに行く展開がありました。
それは「シュタインズゲート」「うさぎドロップ」「まよチキ」の3本です。
異なる3つの作品で、お墓詣りに行く展開がほぼ同時に行われる。興味深いです。

そこで今回はこの3作品を見比べることで、
物語にとってお墓参りとは何か、
なぜ今週3作品がお墓参りする展開が同時多発したのか、
この2点を考えていきたいと思います。


①シュタインズゲート21話「因果律のメルト」より





まゆしぃが祖母に今の自分の現状を話している所です。
まゆしぃのありのままの感情が吐露される素晴らしいシーンです。
そんなまゆしぃの言葉をオカリンは全て聞いています。


②うさぎドロップ8話「おじいちゃんのだいじ」より





おじいちゃんのお墓詣りに行く、大吉とりん。
正子さんも見守っているという状況です。


③まよチキ!8話「初めてなんだ」より





友達ができたとお墓にいるお母さんに報告するスバルに、
その友達である次郎がやってくる展開です。
スバルは自分の気持ちを素直に話したのか、とても正直で泣き出してしまいますが
そんなスバルを見て次郎は彼女を優しく抱きしめるのです。


・お墓参りする物語的な理由

さて、このお墓参り。この行為にはどんな意味があるのでしょうか。
単純にいえば、お墓参りに行くキャラクターにとって墓で眠っている人が大事だからです。
自分に関係の無い人をお墓参りに行く人はいないでしょうから。

そしてキャラクターにとって重要であるお墓で眠っている人と相対する事で、
各キャラクターは自分の気持ちを吐露し、内面を告白する事ができるのです。
この心情告白・内面告白によって、物語は展開していくのです。
平たくいえば、キャラが本音を喋らせるのに、ドラマを盛り上げる場所として
お墓というのは説得力がある場所のです。

またお墓といえば、死を感じさせる場所、死を再確認させる場所でもあります。
つまり、生と死を(テーマ的にも展開的にも)扱う物語において、
否応にでも死を意識させる舞台として
お墓というのは極めて有効的な舞台装置ともいえます。

今回取り上げた3つの作品でも、
シュタインズゲートは、おばあちゃんのお墓参りによって
まゆしぃが自身の死が照らし合わせる展開になっていましたし、
まよチキではスバルが本音をいう事で、次郎との関係をより親密にする事になりましたね、


・まとめ なぜ先週、3作品がお墓参りに行ったのか

以上、3つの作品をちょっとだけ見比べましたが、
ではどうして、お墓参りに行く展開が多かったのでしょうか。
まずは放送時期と作品の内容を合わせるシリーズ構成が、多くなってきたからでしょう。
例えば、お正月の時期ならお正月のお話、
クリスマスの時期ならクリスマスのお話といったように
現実の時間と物語の時期を合わせる作品が増えています。
 
そして先週はちょうど、お盆が過ぎての週でした。お盆といえばお墓詣り。 
という事で、お墓参りをする展開が 多かったのでしょう。
この現実の時間と物語の時間を合わせる展開は、 
日常感・リアル感をより視聴者に感じさせたい意味で有効です。
特にいわゆる現代日本(現代日本的)を舞台にした作品で有効なのでしょう。

この記事を読まれる方の中にも、お盆にお墓参りに行った人がいるならば
自分のお墓参りと、作品のお墓参りを照らしあわせることで、
作品により親近感を抱くのかもしれません。
  
作品を盛り上げるには、視聴者に身近に感じてもらうには
季節の特徴的な出来事をクローズアップするのが有効でしょう。
その意味でお盆明けの時期に上記3作品がお墓参りしたのも偶然ではなく、
TVアニメのシリーズ構成の傾向において、必然だったのかもしれませんね。

それでは以上です。



ここでお知らせです。当ブログ「アニプレッション」では
今年のアニメをより楽しむ雑誌「アニプレッションvol2」 を
とらのあなさんにて委託販売中です。

 http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0020/02/78/040020027856.html 

hyousi3

・「魔法少女まどか★マギカ」「輝きのタクト」「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」
を中心とした作品考察
・今年のアニメについて語る座談会、
・今年の4月~6月放映作品を中心としたクロスレビュー
以上を中心とした内容でお送りする全148P。

ぜひお買い求めください。