こんにちは。おはぎです。

いきなりですが「そらのおとしものf」は面白いですね!!

私は2期から見始めているのですが、2話のEDでエロ本とお祭りを行い、4話でプロレスを行いと毎回ハチャメチャ展開が続いて面白いです。そして7話からは第2世代のエンジェロイドのカオスが登場。コメディ展開だったのが一転、シリアスな展開にシフトチェンジしました。そしてここ2話はシリアスの意味でもとても面白く見ることができました。

私はコメディでもシリアスでも、ジャンルにとらわれず、その方向に振り切れている作品が好きです。数学でいうベクトルで例えるならば、シリアスやコメディというようなベクトルの向きではなく、ベクトルの量そのもので評価したいというスタンスです。

この考えで見ている私とすれば「そらのおとしものf」は、コメディ・ギャグにかなりベクトルの量が振り切れていたから、シリアスも上手くハマれば面白いなぁと思っていましたし、実際上手くやっていたと思いました。

ではなぜ私がこうしたベクトルの量そのものを評価する考えになったのか。これはビートたけしの「振り子の理論」の影響によるものです。この「振り子の理論」とは何なのか。今回は彼の「振り子の理論」から作品の見方について考えていきたいと思います。

「振り子の理論」を提唱するビートたけし。この名前で30年間テレビタレントとして一線で活躍し、または北野武の名で映画監督として世界的評価を得ています。つまり本名:北野武には「タレント=ビートたけし」と「映画監督:北野武」という二つの側面があるのです。

この二つの側面(ペルソナ)を使い分けていること。これが「振り子の理論」の実践といえるでしょう。では「振り子の理論」とは何なのでしょうか。


彼は振り子の理論をビートたけし名義の著書で次のように語っています。

「振り子の理論でいえば、暴力とは反対の方向え振れるだけ振っておけば、今度暴力の側へ戻ってきたとき、今までよりも、もっとずっと過激に表現することができる。

振り子も愛と暴力の間でだけ振れるんじゃなくて、お笑いの方へも振ってみたいし、あらゆるところへ振っていく。その振幅が大きければ大きいほど、他へいった ときもっと大きいことができる。おいらは、平面的な振り子ではなくて、三百六十度あっちこっち振れて、結果的には水平にぐるぐる回ってしまうぐらいなこと をやりたいんだ。」

出典:「私は世界で嫌われる(ビートたけし)」(新潮文庫)


またインタビューでは次のように答えています。

「振り子のように生きないと。10の暴力は10の愛に変わる可能性がある。振り子の片方を高く上げれば、反対側にも高く上がる。人をもっと笑わせるためにひどいことを考えれば、反動で笑わせられる。人を嫌えばその反動で愛は深くなる」

 http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201005180026.html 出典:asahi.com


僕が一番強調したいのは「反対側にも高く上がる。人をもっと笑わせるためにひどいことを考えれば、反動で笑わせられる。」という部分です。この引用箇所を物語におけるシリアスとコメディ・ギャグの関係に置き換えるなら「シリアスで感動させるためにコメディ・ギャグで笑わせる事を考えれば、反動で感動させられる」もしくは「コメディ・ギャグで笑わせるために、シリアスを徹底させれば反動で笑わせられる」ともいえるでしょう。

ビートたけしはテレビでギャグをやりますが、そのギャグの反動を使って北野武名義でシリアスな映画を作ります。逆もまたしかり。これが「振り子の理論」の実践です。

私はこの理論から創作において大事なのはジャンルではなく、振り子の幅、先ほどの例えですとベクトルの量が重要だと考えるようになりました。振り子の振動量、もしくはベクトルの量があれば、この向きがギャグであってもシリアスであっても、逆の方向にも展開させられる事ができるのではないかと考えました。だから評価すべきなのは、例えていうなら振り子の振動やベクトルの量、つまりどれだけ作品が振り切れているかだと考えるようになりました。

いうなれば、シリアスが禁書目録でいうレベル2であれば、ギャグもレベル2でしかない。ギャグがレベル5であれば、シリアスもレベル5になれる可能性があると言いたいのです。要は中途半端が一番ダメ。悪い事をやるなら悪いことは徹底的に行い、良い事も中途半端は一番ダメで徹底的に行う事の重要性を説いているのだと感じます。

もちろん作品・作家には作風に向き不向きがありますので一概には言えない部分もあります。それでもギャグをやってた人がシリアスの作風に転じて成功した例は結構あります。マンガでいえば「行け!稲中卓球部」の古谷実さん「ジャングルの王者ターちゃん」の徳弘正也さんはこの例に当てはまると思います。

「そらのおとしものf」はまさに「振り子の理論」を実践している作品だと思います。バカも徹底的にやった反動でシリアスも行う。この部分が魅力的だったのではないでしょうか。

今後、作品を評価する際には「振り子の理論」を参考にすると違った側面から作品が鑑賞できて面白いかもしれません。という事で今回は以上です。